私は40代の後半まで、上の前歯が3本なく、奥歯もほとんどボロボロの状態でした。鏡を見るのが嫌で、人前で話すときは常に下を向き、食事の席には絶対に参加しないようにしていました。何より辛かったのは、歯科医院へ行くことへの恐怖と恥ずかしさでした。「こんなに若いのに入れ歯なんて」「どうしてここまで放置したの?」と、心の中で責められるのが怖くて仕方がなかったのです。そんな私が、ある日意を決して、ホームページに「恥ずかしくて来られない方へ」というメッセージを掲げている歯科医院を予約しました。予約当日は、医院のビルの前を3回ほど行ったり来たりするほど緊張していましたが、中に入ってカウンセリングルームに通されたとき、担当の女性スタッフが私の話を遮ることなく、最後まで優しく聞いてくれました。その瞬間に、これまで一人で抱えてきた重荷がスッと軽くなったのを覚えています。歯科医師の先生も、私の口の中を診た後、ただ一言「大変でしたね。でも、必ず綺麗に治りますから安心してください」と言ってくれました。その言葉だけで、私はこの先生を信じて通い続けようと決意できました。治療期間は約1年間かかり、インプラントとセラミックの被せ物を組み合わせた大掛かりなものでしたが、通うたびに歯が作られていく過程が楽しく、いつの間にか恥ずかしさは消えていました。治療が終わった今、私は大きな口を開けて笑うことができますし、何でも美味しく食べられる喜びを噛み締めています。以前の私は、歯がないことを恥ずかしいと思うあまり、自分の人生そのものを狭めてしまっていたのだと気づきました。もし、今この記事を読んでいる方で、昔の私と同じように「恥ずかしくて行けない」と悩んでいる人がいるなら、どうか知ってほしいです。歯科医院は、あなたを笑う場所ではなく、あなたを助けてくれる場所です。ほんの少しの勇気を出して一歩を踏み出すだけで、世界は驚くほど明るく変わります。今は技術が本当に進んでいて、どんな状態からでも、まるで自分の歯のような美しい仕上がりにしてくれます。恥ずかしいという気持ちは、最初だけで十分です。その先には、今のあなたには想像もできないほどの、自由で楽しい毎日が待っています。私の体験が、誰かの一歩を後押しする力になれば、これほど嬉しいことはありません。