体の痛みや不調の原因となる慢性炎症には、食生活だけでなく、日々のストレスが深く関わっていることが知られています。強いストレスは自律神経のバランスを乱し、免疫システムを過剰に刺激して、体内の炎症レベルを高めてしまうのです。そこで注目したいのが、心と体をリラックスさせながら、穏やかに炎症に働きかけてくれるハーブティーの存在です。薬のような即効性はありませんが、その優しい香りと成分が、心身の両面から私たちをサポートしてくれます。抗炎症作用を持つハーブティーとしてまず挙げられるのが、カモミールティーです。キク科の植物であるカモミールに含まれる「アピゲニン」というフラボノイドには、優れた鎮静作用と抗炎症作用があることが報告されており、不安な気持ちを和らげ、穏やかな眠りへと誘ってくれます。また、スーッとした清涼感が特徴のペパーミントティーもおすすめです。主成分である「メントール」には、鎮痛作用や消化を助ける働きがあり、特にストレス性の胃腸の不快感や頭痛の緩和に役立ちます。さらに、ビタミンCの爆弾とも呼ばれるローズヒップティーも、炎症対策に有効な一杯です。ローズヒップに含まれる豊富な抗酸化物質は、関節の炎症を和らげる効果があるとも言われ、美容だけでなく健康維持の観点からも注目されています。温かいハーブティーを淹れ、その湯気と共に立ち上る香りを深く吸い込む時間を持つこと。そのリラックスしたひとときそのものが、ストレスを軽減し、間接的に炎症を鎮めることに繋がります。毎日の生活に、自分好みのハーブティーを取り入れて、心と体の両方から優しくセルフケアを始めてみてはいかがでしょうか。